
ノーコードツールはいくつかの種類がある
ノーコードツールには、用途ごとに多くの種類があります。業務の効率化を目的としたもの、Webサービスを作るもの、データを扱うものなど、役割はさまざまです。どのツールを選ぶかは、「何を実現したいか」を整理することが出発点になります。
ノーコードツールは概念だけを聞くと分かりにくいですが、実際にはすでに多くの製品やサービスが存在し、現場で使われています。
目的ごとに代表的なツールを知ることで、「自分は何から触ればよいか」が見えやすくなります。ここでは、分野別に具体的な商品名・サービス名を紹介します。
基本的には、ほとんどが有償のサービスですが、中には、機能限定、日数限定で無料枠があるサービスもあります。また、国内製のサービスは少なく、海外製サービスが多くありますが、日本語化されているものもあります。
業務自動化・ワークフロー系ツール
業務自動化を目的としたノーコードツールは、複数のサービスや作業をつなぎ、処理の流れを自動で実行します。
例えば、フォーム入力をきっかけにデータを保存し、通知を送り、次の作業へ進めるといった流れを簡単に作れます。人が毎回行っていた作業を減らし、業務の抜けやミスを防ぐ点が、このタイプの大きな特長です。
業務自動化の分野では、Zapier や Makeが知られています。共に有償です。これらのサービスは、フォーム、メール、クラウドサービスなどをつなぎ、条件に応じて処理を自動実行します。国内では Microsoft Power Automate も多く使われており、Office製品と組み合わせた業務自動化に活用されています。基本は有償で30日間の無料枠があります。
Webアプリ・サービス構築系ツール
Webアプリや簡単なサービスを作るためのノーコードツールも多く使われています。
画面デザイン、データ管理、ユーザー操作を一体として設計でき、アイデアをすぐ形にできます。新しいサービスの試作や、職場・部門の専用ツール作成に向いており、改善を重ねながら育てていける点が大切な魅力です。
Webアプリを作るノーコードツールとしては、有償ですがBubbleが代表的です。画面設計からデータ管理、ユーザー操作までを一体で構築でき、サービスの試作から実運用まで対応できます。業務アプリ向けでは Adalo(制限付き無償版あり)やGlide(制限付き無償版あり)などもあり、スマートフォン向けアプリを比較的簡単に作成できます。
データベース・情報管理系ツール
情報を整理し、共有することに特化したノーコードツールもあります。
表計算ソフトより柔軟で、項目同士の関係を持たせたり、用途別に画面を切り替えたりできます。研究記録、業務管理、プロジェクトの進行状況など、情報を「ためて、使う」場面で力を発揮します。
情報管理系ではAirtable(無料プランあり)やNotion(無料プランあり)があります。表計算のような感覚でデータを扱いながら、関係性を持たせたり、用途別の画面を切り替えたりできます。研究メモ、業務管理、プロジェクト管理など、幅広い用途で使われている点が特徴です。
フォーム・アンケート作成系ツール
入力に特化したノーコードツールは、データ収集の入口としてよく使われます。
アンケートや申請フォームを簡単に作成でき、集めた情報を他のツールと連携させやすい点が特徴です。調査活動、地域イベントなど、幅広い場面で活用されています。
入力フォームに特化したツールとしては、Google FormsやMicrosoft FormsやTypeformがよく知られています。アンケートや申請フォームを簡単に作成でき、集めたデータを他のノーコードツールと連携させやすい点が強みです。調査や学習活動の入り口として、多くの現場で使われています。
ダッシュボード・可視化系ツール
集めたデータを分かりやすく表示するためのノーコードツールも存在します。
数値や状況をグラフや画面で整理することで、現状の把握や判断を助けます。分析の専門知識がなくても使いやすく、改善のヒントを得るための支援役として使われています。
データの可視化を目的としたツールには、Google Looker Studio や Tableau Public があります。ノーコードでグラフやレポートを作成でき、状況把握や改善の判断材料として活用されます。データを見る文化を育てるための第一歩として使われることも多いです。
AI連携に特化したノーコードツール
近年増えているのが、AIとの連携を前提としたノーコードツールです。
文章の要約、分類、生成、対話などをAIに任せ、その処理の流れをノーコードで設計します。AIを「判断役」として組み込みながら、人が管理しやすい仕組みを作れる点が、このタイプの大きな特徴です。
AIとの連携を前提としたノーコードツールも増えています。Dify は、生成AIを使ったアプリや対話型AIをノーコードで構築できるOSSサービスです。Microsoft Copilot StudioやMicrosoft Fabricも、業務向けの対話型AIエージェントを設計する用途で活用されています。これらは、AIの判断や文章生成と、業務フローを結びつける役割を担います。
IoT・ハードウェア連携系
IoT分野では、Node-REDがノーコード・ローコード的に使われるOSSによるビジュアルプログラミングツールの代表例です。センサーやデバイス、クラウドを視覚的につなぎ、データ処理の流れを構築できます。ハードウェアとソフトウェアの橋渡し役として、教育・研究・試作で多く利用されています。

ツール名を知ることの意味
ノーコードツールの名前を知ることは、目的に合った選択肢を考える第一歩です。すべてを使いこなす必要はなく、自分の課題に近い分野のツールから触れてみることが大切です。ツールは目的を実現するための手段であり、使いながら考え、改善していく姿勢が求められます。
ノーコードツールが広げる実践の場
これらのノーコードツールは、業務改善だけでなく、研究、教育、地域活動など多様な場面で使われています。具体的なサービス名を知ることで、「自分にもできそうだ」という感覚が生まれ、実践への一歩につながります。
ノーコードツールを選ぶときの考え方
ノーコードツールを選ぶ際は、流行や機能の多さよりも、「何を解決したいか」を基準に考えることが大切です。最初は一つの用途に絞り、小さく使い始めることで、ツールの特性を理解しやすくなります。必要に応じて複数のノーコードツールを組み合わせることで、より柔軟な仕組みが実現します。
ノーコードが広げる学びと実践
ノーコードツールは、作りながら学べる点が大きな価値です。業務改善、研究、教育、地域活動など、さまざまな場面で活用することで、考えを形にする力が育ちます。技術を「使う側」から「設計する側」へと視点を広げる入口として、ノーコードは身近な存在になっています。


