
センサー&IoTを研究教材として使う
社会課題は「感覚」や「印象」だけでは解決できません。実際に測り、記録し、データとして確かめることが重要です。センサーやIoTは、身近な現象を数値で捉える、社会課題を客観的に考える、技術と社会の関係を学ぶための有効な教材です。教育や研究の場面で実践可能な社会課題型の研究を考えます。
社会課題と結びつけたテーマ例
例① 学校教室での「快適さ」は数値で説明できるか
社会課題:学習環境と集中力
使用センサー:温度・湿度・CO2センサー
教室の環境は、学習効率に影響します。センサーを使って温度・湿度・CO2濃度を計測し、「どの環境が最も集中しやすいか」をデータで検証します。
👉 学習ポイント
- データ収集と可視化
- 快適さを数値で説明する力
- 環境改善提案につなげる思考
例② 人の動きから考える「安全な通学路」
社会課題:子どもの安全・交通事故
使用センサー:人感センサー・距離センサー
通学路のどこが危険なのかは、感覚だけでは分かりません。人通りや車の接近をセンサーで計測し、危険箇所をデータとして可視化します。
👉 学習ポイント
- 現地調査とデータ記録
- 地域課題への視点
- 防犯・安全への提案力
例③ 高齢者見守りを考えるIoTシステム設計
社会課題:高齢化社会・見守り
使用センサー:人感・加速度・温度センサー
高齢者の生活リズムをセンサーで把握し、「異常時だけ通知する仕組み」を考えます。
👉 学習ポイント
- プライバシー配慮の重要性
- IoTシステム構成の理解
- 技術と倫理の両立
例④ ゴミの量を測って考える環境問題
社会課題:廃棄物削減・SDGs
使用センサー:重量・距離センサー
ゴミ箱にセンサーを設置し、曜日や時間帯ごとのゴミ量を測定します。
👉 学習ポイント
- 環境問題をデータで捉える
- 行動変容につながる分析
- SDGsとの関連理解
例⑤ 騒音はどこで問題になるのか
社会課題:生活環境・ストレス
使用センサー:音量センサー
学校や地域での騒音を測定し、「問題になる音」と「そうでない音」を整理します。
👉 学習ポイント
- 数値と主観の違い
- データの解釈力
- 合意形成の考え方
センサー活用での注意点
センサーを活用する場合は、測ること自体が目的にならないよう注意が必要です。重要なのは、なぜ測るのか、その結果をどう社会に活かすのかという問いです。
また、個人情報、プライバシー、データの扱い方についても、配慮が不可欠です。
関連する考え方・枠組み
- Society5.0(人中心の技術活用)
- STEAM教育(教科横断型学習)
- SDGs(環境・安全・健康)
- IoT教育・探究学習の実践事例
研究設計の基本モデル
社会課題に対してIoTを活用する動きでは、次の流れで設計することができます。
- 社会課題を設定する
- 測れる要素を考える
- センサーを選定する
- データを収集・分析する
- 改善案・提案をまとめる
センサーとIoT
センサーとIoTは、社会課題を「見える化」する強力な道具です。身近な課題をデータで捉え、考え、提案する経験は、未来の学びと研究につながります。
技術を使うこと以上に、社会をよくする視点をが大切になります。


